主婦の友生活シリーズ 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本
従来の沐浴方法からあわもち沐浴法に変更した理由は
“お子さんを食物アレルギーにしない”ためです。
以前は食物アレルギーの原因は、妊娠中にお母さんが食べた食べ物が胎盤を通過したり、授乳中に食べた食品が母乳に出たり離乳食などに含まれる少量の食品が赤ちゃんの口から入り、赤ちゃんが食物抗原に対するIgE抗体を作って食物アレルギーになりやすいのではないかと考えられていました。
しかし、そうならないために、哺乳類は口から食べた食品にはIgE抗体を作らないようにする仕組みが備わっており、赤ちゃんの時からすでに働いていることが報告されています。
2009年に茶のしずく石鹸の使用で小麦アレルギーになったという社会問題の記憶がある方もいるかと思います。
同様な報告から、食物アレルギーのきっかけが“皮膚についた食べ物にある”ことが分かりました。
皮膚についた食べ物のアレルギーになる条件の一つは、皮膚のバリア機能が低下して水分が失われること、つまり“赤ちゃんの湿疹”です。
したがって、食物アレルギーにならないためには、『湿疹にならないこと』あるいは『湿疹ができたら早く治すこと』が重要なのです。
さらに、赤ちゃんの皮膚の厚みは大人の約半分であり、水分量も1年を通して大人の半分以下と乾燥しているため、皮膚のバリアが障害されやすい状態です。『新生児期から全身に保湿剤を塗る』ことでアトピー性皮膚炎の発症を約30%減らすことができると報告されています。
画像:「主婦の友生活シリーズ 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本」より
湿疹ができても適切な洗浄と保湿を行えば下の写真のように綺麗に治ります!
「乳児の肌トラブル発症に影響を及ぼす沐浴教育要因 古田祐子.福岡県立大学看護学研究紀要 12,1-11,2015」
当院ではマタニティクラスや入院中に『あわもち沐浴法』を実施いたして
おります!
退院後の方も、湿疹でお困りの方は情報提供いたしますので当院までご連絡
ください
文参考:
・Happy-Note 2019秋号 p46
・主婦の友生活シリーズ 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本
・HorimukaiK,etal. Applicationofmoisturizer to neonates prevents development of atopic dermatitis.
J Allergy Clin Immunol 2014; 134:824‒830,e6.
画像参考:
・乳児の肌トラブル発症に影響を及ぼす沐浴教育要因 古田祐子.福岡県立大学看護学研究紀要 12,1-11,2015
・主婦の友生活シリーズ 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本