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※無痛分娩(硬膜外麻酔)について

2011年7月28日

当院では、ご希望の方に「無痛分娩(硬膜外麻酔)」を行っております。

よく質問されることを、下記に載せましたので参考になさってください。

Q1.無痛分娩(硬膜外麻酔)とはどのような麻酔ですか?
A.硬膜外麻酔は局所麻酔の一つで、お腹や足の手術の後の痛み止めとして、よく用いられます。帝王切開の手術の時に痛み止めとして使う病院もあります。
硬膜外麻酔の硬膜、というのは硬い膜と書きますが、背骨の奥にある脊髄という太い神経を囲んでいる膜のことです。その硬膜の外側に細いカテーテルを入れて麻酔の薬を入れるので、硬膜外麻酔と言います。入れたお薬は硬膜外を広がって脊髄に部分的に麻酔をかけます。
硬膜外無痛分娩の場合は、下半身にだけ麻酔が効くように調節します。また、麻酔の効き方が強いとお腹や足の力が入りにくくなり、いきめなってしまいますので、なるべく痛みだけ取るように薬を調節しています。

Q2.「全く痛みがなくなるのですか?」
A.「無痛分娩」は、正式には「硬膜外麻酔分娩」と言います。「無痛」と言うので陣痛の痛みが全く無くなる」と思われる方もいらっしゃいますが、「痛みがやわらぐ」だけで、「無」にはなりません。個人差はありますが、「2~3割程度の痛みにやわらぐ」とおっしゃる方が多いようです。

Q3.硬膜外麻酔はいつ始めるのですか?
A.基本的には、自然に陣痛が来てから麻酔を行います。自然の陣痛を待つことで、妊婦さん一人一人に良いタイミングでお産を始めることができるからです。けれども、合併症がある方や分娩が早く進みそうな方、遠方に住んでいらっしゃる方などについては、あらかじめ入院していただいて陣痛を起こしてから硬膜外麻酔を行うこともあります。

Q4.麻酔を行うときはどのようにするのですか?
A.分娩台のベッドに横向きに寝ていただいて、膝を抱え込むようにして背中を少し丸くしてもらいます。そして背中を消毒薬で拭いて清潔にします。
それから、背中の腰のあたりに細い針で痛み止めをしてから、少し太めの針を使って硬膜外という場所に細いチューブ(カテーテル)を入れます。
入れるのにかかる時間は10分程度です。

Q5.麻酔がかかっている間はどのような状態になるのですか?
A.麻酔が効くのは下半身だけですので、もちろん意識はありますし普通に会話ができます。赤ちゃんへの影響もほとんどありません。
無痛分娩を始めても下半身の感覚は残りますので、子宮が収縮してくるのを感じながらタイミングを合わせていきんでいただきます。
ほとんどの場合、痛みはわずかに感じるだけになりますが、痛みの感じ方は人によって違いますので、とくに出産間近になると生理痛くらいの痛みを感じる場合があります。
そのため無痛分娩と呼ぶよりも、痛みを和らげるという意味で「和痛分娩」と呼ぶ方が、正しいのかもしれません。
意識も普通にありますし、もちろん赤ちゃんが生まれるのもわかります。

Q6.硬膜外無痛分娩で何か副作用はありますか?
A.現在、特にアメリカやヨーロッパではたくさんの無痛分娩がされていますが、その中で重い合併症はとても少ないと言われています。
比較的起こりやすいものとしては、血圧が下がる、背中の注射した所にしばらく痛みが残ることがあります。まれな合併症には一時的に頭痛が起こることや、麻酔が強く効いて少しの間足に力が入らなくなること、などがあります。

Q7.硬膜外無痛分娩が赤ちゃんや分娩経過に何か影響を与えますか?
A.いいえ、赤ちゃんに麻酔薬の影響はほとんどなく、生まれた時の赤ちゃんの元気さも変わりません。
お産の経過に対しては、いきむ力が少し弱くなることがあるため吸引器を使った分娩が増えると言われています。


無痛分娩(硬膜外麻酔)の歴史と現状

○無痛分娩はいつ頃から始まったのですか?
無痛分娩は、イギリスのエリザベス女王が1853年に行ったのが世界で初めてと言われています。この時は麻酔薬を吸入して痛みをとったようです。
それまではお産の痛みを取ることは罪だとされていましたが、エリザベス女王のお産をきっかけに一般の方々にも無痛分娩が普及していきました。
1940年代からは硬膜外麻酔が無痛分娩に用いられるようになって、安全で良い麻酔ということで徐々に無痛分娩の主流になりました。
日本ではどうかというと、最初の無痛分娩は、1916年に歌人の与謝野晶子が息子さんのお産をするときに医療用麻薬を使って行った、との記録があります。
硬膜外麻酔による無痛分娩(硬膜外無痛分娩)は1970年代から行われるようになって、海外と同様、今は無痛分娩の主流になっています。

○現在はどれくらいの妊婦さんが硬膜外無痛分娩を行っているのでしょうか?
アメリカやフランスでは硬膜外無痛分娩を選ぶ妊婦さんが多く、アメリカの2008年のデータでは全体の約6割、フランスの2010年のデータでは約8割の女性が無痛分娩をしています。
日本ではどうかというと、2007年のデータでは硬膜外無痛分娩は全分娩の2.6%とまだまだ低い数字になっています。これは、無痛分娩を行っている施設が少ないことや、お産の痛みは耐えて当然、という偏見があることが広く普及しない要因と言われています。

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